| 1)Tetrodotoxinの構造 |
| グアニジン基を持つ。無色、無味、無臭。弱酸性で安定、アルカリ性で不安定、破壊は加熱時に顕著である。
|
| 2)ふく毒の単位と致死量 |
| ふくの毒量はマウス単位で表わされるが、1マウス単位(MU)とは体重20gのマウスを30分で殺す毒量をいう。人の致死量は一般に5000〜10000マウス単位と考えられ、テトロドトキシンとして0.5〜1mgともされている。
|
| 3)症状 |
| ふく食中毒はふくの体内に含まれるテトロドトキシンの摂取により起きる。この中毒にかかると先ず口唇、舌端、指先等にしびれが起こる。頭痛、腹痛、嘔吐がみられることもある。次いで、知覚マヒ、運動マヒ、言語障害、呼吸困難、血圧降下などをきたす。意識は死の直前まで明瞭であるが、末期に混濁し、呼吸停止(呼吸中枢マヒ)により死に至る。呼吸がとまっても心臓はしばらく動いている。摂取毒量が多いほど発症までの時間は短く、経過も短く、手遅れになりやすい。早いものは20分位で発症するものもある。6時間以後に発症するものは比較的軽症で、手当も十分間に合うので死ぬことはほとんどない。
|
| 4)治療 |
| ふく食中毒に対する積極的な治療法はない。不幸にして、食後口唇や舌端のしびれに気付いたら、何はさておき、食べたものはすべて吐き出し、手近にある水、微温湯、重曹水、食塩水を多量に飲み、嘔吐を繰り返し、食べたものが完全になくなるまで胃を洗うこと。患者を安静にさせ、一刻も早く医師の手当を受けさせることが大切である。治療としては、胃洗浄、リンゲル、ブドウ糖の静脈注射、人工呼吸、その他の対象療法(血圧上昇剤、呼吸促進剤)が行われる。
|
| 5)ふくの毒性 |
| ふくの毒がどうしてできるかについては明確な結論はでていない。ふくの毒性は魚種により異なる。また明瞭な海域差も認められる。同一魚種、同時採捕のものでも大きい個体差がある。有毒種でも、全く無毒のものも認められる。養殖とらふくはおおむね無毒という報告もある。これらの事実は、ふくは生来は無毒で、環境要因により有毒化することを示唆する。環境要因として「えさ」があるが、おそらくは初め微生物などがテトロドトキシンあるいはテトロドトキシン関連物質を生み、食物連鎖により、またえさに対する嗜好性、毒の受容能力、蓄積能力などの動物側要因が重なり、ついにはふくや一部の巻貝が明瞭に有毒化するに至ると考えられている。
* 同一魚種内では、一般に肝臓が最も高く、腸及び皮がこれに次ぐ。筋肉、血液、及び 精巣は無毒な魚種が多いが、近年では従来と異なる海域のふくが漁獲あるいは輸入され るようになり、特定はできない。しかしながら、厚生省は有毒魚類に関する検討委員会 を設けて調査し、昭和58年12月に″ふくの衛生確保のための新しい措置基準″を作り 適当な処理により″安全に食べられるふくの種類と部位″を以下の表のように実施することとした。
|